CRAFTSMANSHIP
チューリッププリント
ものづくりは、あらゆるものに宿る命の温度を繋いでいくこと。
時代を超えて育まれた美しいクラフトマンシップに焦点をあて、心動かされる「ものづくり」の背景を紐解いていきます。
第二回はハンドドローイングをプリントした、Tulip Printシリーズ。
デザイナーSayaka Tokimoto-Davisの制作エピソードをご紹介いたします。
このチューリップ柄はIrving Pennの写真集、Flowersからインスピレーションを受けました。様々な花のみずみずしい姿、朽ちてゆく姿を捕らえた作品で、これまで幾度となくページをめくった大切な写真集です。
チューリップはNYでは街中のデリに並ぶ、とても身近な存在。
日常の中にあるものに焦点を当てたいと思いました。
デリでチューリップを買ってきて、蕾が開き、頭が垂れ、花弁が落ちるまでをドローイングして行きました。観察していると、変わりゆく、不完全な美しさに目を奪われます。
空羽縞(あきはしま)という、織りで縦線状に透け感を出した組織に、ワッシャー加工でシワ感を出したオーガニックコットンは、みずみずしく透き通った花弁や、花弁のシワ感をイメージして。
凛とした表情を目指して、ブルーとネイビーの色合わせにしました。