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 CRAFTSMANSHIP

染色工房・金井工芸

Text&Edit:Eriko Azuma

ものづくりは、あらゆるものに宿る命の温度を繋いでいくこと。

時代を超えて育まれた美しいクラフトマンシップに焦点をあて心動かされる「ものづくり」の背景を紐解いていきます。

第一回は奄美大島の染色工房「金井工芸」

金井工芸の染色は、草木、水、土など、身近な自然の持つエネルギーを長年培われていた人の知恵、技によって表現したもの。

「古くから伝わる草木染めは、染め直しをして何十年も愛用していく、ものを育んでいく、という考え方が芯にあり、見つめ直すべき価値観がそこにあると感じています。それを作り手、着る人が共に考える機会になれば...」

そんなデザイナーの思いからコラボレーションが実現。

離島の小さな工房で守られていきた美しい技法がこの春、SAYAKA DAVISのコレクションに加わりました。

先人の知恵と奄美の自然に育まれた金井工芸のものづくり

1300年もの歴史を持つ、奄美大島の草木・泥染めの技術を現在に繋ぎ、育んできた染色工房、金井工芸。

大島紬で知られる伝統的な技法「泥染め」は今もすべての工程が手作業で行われています。

地元ではテーチと呼ばれる車輪梅をチップにし、煮出すこと14~16時間。煮出し終えたチップは次回の燃料に、木灰は藍染や陶芸などに再利用されているそう。

煮出して抽出された染料に浸し、素手で揉み込みながら何度も染め重ねることで、深く濃く、色を重ねていきます。

さらに泥田で泥をすり込むことで、泥に含まれる鉄分が車輪梅と化学反応を起こし、深みのある褐色に。

余分な泥の粒子を洗い流すのは、工房近くの川の流水。

すべて自然由来の材料を使っているので、川の水を汚すことはなく、この水は地下水として工房でも使われているそう。

80~100回の工程を繰り返して完成する天然の色は温度や湿度によっても仕上がりが変わるという繊細なもの。化学染料を一切使用していないため、色は次第に薄れていきますが染め直すことでまた色を重ねていくことができるのが、泥染の魅力でもあるのです。

自然の素材に宿る豊かさを受け取り

変化を楽しみ、育てていく服

自然への敬意、ものづくりへの真摯な思いが共鳴し生まれた金井工芸×SAYAKA DAVISのコレクション。

素材には良質なオーガニックコットンやリサイクルコットンを選択。
伝統的な草木染め、泥染めによる風合い豊かな色合いにはデニムのように経年変化を楽しみながら、育ててほしいというデザイナーの願いが込められています。

「ものづくりはあらゆるものに宿る命の温度を繋いでいくことだと思っています。SAYAKA DAVISでは環境負荷を低減する取り組みを進めていますが、それと共にこれからも作り手と着る人が、心動かされるものであることを大切に。<温度を繋ぐものづくり>を目指していきたいと思います」

【Plum Pink:車輪梅(テーチ)】

【Plum Brown:車輪梅(テーチ)+泥】

【Teal Green:藍染+福木(フクギ)】